ハトゥカデ集落で1泊した翌朝、女性たちがコーヒーの準備をしてくれていました。それは、普段の私たちが行うコーヒーの用意とは全く違う過程で、想像を超える工程でした。電気やガスがあるのが大前提の暮らしを、改めて見直すきっかけになったコーヒーの準備。1杯のコーヒーになる過程をご紹介します。
【1】 さすが産地!と思ってしまいましたが、まず登場したのはグリーンビーンズではなく、パーチメントコーヒーです。輸出用の綺麗な豆を持ってきてくださいました。2kg程の量を臼に入れ、棒で突いて脱穀していきます。
【2】 殻が外れたら、ザルに移し、煽ったり、息を吹きかけて殻を飛ばします。
【3】 家の中に移動し、あらかじめ温めておいた中華鍋に生豆を入れ、お玉で絶えずかき混ぜながら煎っていきます。火加減は、最初は小さめ、途中薪を足して強火にして、後半は弱めていました。その後、鍋を横にずらして火からおろし、余熱を利用して仕上げていきます。台所には、光があまり入りませんので、音を聞きながら、懐中電灯も利用しながら見極めていきます。
【4】ザルに移し、外に移動し、煽って粗熱をとります。焙煎度合はかなり深めです。
【5】再度臼に入れて、2人でついていきます。私も体験させてもらいましたが、とっても難しい!まっすぐ棒を入れられなくて、臼の淵や相手の棒に当たったりと、上手くいきません。力強さと慣れが必要な作業でした。
しばらくついたら、小さなお玉ですくって、ザルに移し、ザルを斜めにして端を叩いて、粒の大小を分けていきます。パウダー状(かなり細かい)になったものは容器に移し、大きめのものは再び臼に戻します。この作業を5-6回繰り返します。
*始めに細かくなるものは、極深煎りの色。繰り返す程に色が薄くなっていき、固い豆=浅い豆が最後に残ります。
【6】 最後は、容器のコーヒーを一旦全部ザルに空け、コーヒーの焙煎度合を均一にして、容器に戻します。作業の一つ一つがとても丁寧です。
【7】薪でお湯を沸かし、コーヒーを入れます。軽くかき混ぜ、コップですくいながら、細かい茶漉しで濾してポットに移して完成です。
朝食用の蒸したキャッサバと共に、出来たてのコーヒーを頂きました。深く煎られていて、濃い見た目と違い、とっても飲みやすい。収穫したての新鮮なコーヒーの美味しさなのでしょうか。過程をみたことの嬉しい気持ちも含んで、大変美味しい1杯でした。
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