第15話.ジャカランダ農場が受けた被害

有機栽培を始めた1993年のこと。5.7ヘクタールの耕地に植えられた6000本のコーヒー樹の葉が黄色く染まった。コーヒーの実の外皮を原料とする堆肥の散布が遅れ、土壌の養分のバランスが崩れたことが原因だった。この年の収穫は大幅に減少し、その影響は翌年の収穫にまで及んだ。

霜の被害を受けたコーヒー樹
霜の被害を受けたコーヒー樹

コーヒー樹は非常に繊細な植物で、霜がくればすぐに枯れてしまう。1993年に起こった霜害は、ブラジル全体の収穫量を3割以上も減少させた。標高の高い所に位置するジャカランダ農場では霜が停滞することは少なく、深刻な被害はなかったが、低地に植えられたコーヒー樹のなかには霜枯れてしまったものがあった。

ときには天から氷の粒が落ちてくる。1996年の9月にジャカランダ農場を急襲した雹は、12.000本のコーヒー樹の花芽や葉を打ち抜き、地面へと叩き付けた。4年という歳月をかけて育ててきた有機栽培のコーヒー樹が、身ぐるみ剥がれた状態になるまで5分もかからなかった。被害を受けた4.5ヘクタールの耕地はたくさんの収穫を期待できる場所だったが、花芽を失ったコーヒー樹に実は付かず、この地区からの収穫はほとんどなかった。

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「ジャカランダコーヒー物語」

ブラジルにて「不可能」と言われていたコーヒーの有機栽培を丁寧な土作りと「いのちを大切にしたい」という想いから成し遂げたジャカランダ農場。農場主の故カルロス・フランコさんとジャカランダ農場の軌跡をお伝えします。

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