第20話.チェルノブイリ原発事故

1987年、中村は生協を退職した。その決意を固めた要因のひとつに、その前年に起こったチェルノブイリ原発事故がある。チェルノブイリ原発の爆発により放出された放射能は、日本の農作物を汚染した。このとき中村は、長年、無農薬で培ってきた畑を一瞬にして汚染する放射能の恐ろしさを初めて知る。

1995年9月28日、事故を起こしたチェルノブイリ原発4号炉の前で
1995年9月28日、事故を起こしたチェルノブイリ原発4号炉の前で

さらにショックだったのが、日本人のお母さんの母乳からも放射能が検出されたことだった。この事実は、最も放射能の影響を受けやすい赤ん坊が危険にさらされていることを意味していた。

その後、原発問題に対する活動を開始した中村は、さらに様々な環境問題にも取り組み始め、次第に生協の仕事の枠をはみ出す部分が大きくなっていった。

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