小児喘息、アレルギー性結膜炎、鼻炎、そして高校3年生からは突然のアトピー。子どもの頃から病院や薬とは切っても切れないない仲だった私は、発作や症状が出るとせっせと病院へ通い、もらった薬は疑いもなく飲み、塗っていました。それが当たり前だと思っていたのです。
それからずっと、短大を卒業し、勤め始めてからもアトピーは一向に治まりません。治まるどころかひどくなる一方です。手の甲や顔、首など見える部分にも症状が出ていたので、会社でお茶を出したり接客するのが本当に嫌でした。お客さんや取引先の営業マンは「どうしたの?その顔。」と必ず聞いてきます。聞かない人は大抵同情の目を向けます。だから出来るだけ、人前に出ることを避けようとしてきました。
「一生こんな身体(体質)なの?」と思いながらも、どうしていいのか分からず相変わらずの病院通いを続けていました。
そんな時、会社の先輩の紹介で、福岡で開業している歯科医の奥さんと話をする機会がありました。それは私の人生を変える程の大きな出逢いでした。
その方は私に「何故、あなたがアトピーなのか、原因はわかる?」という質問を投げかけました。そこで始めて「アトピーって何だろう?」と当たり前の疑問を感じることができたのです。
アトピーになってからは皮膚科を何軒も変えたり通院しながらも漢方薬を飲んだり、エステに行ったり、いいと言われた入浴剤や化粧品等はとにかく試しました。
でも治療する事ばかりが頭にあって「どうして自分がアトピーなのか」という根本を見つめることはありませんでした。当事者でありながら私はあまりにも無知だったのです。
それから私は沢山の本を読み、いろんな人に会って話を聞き、アトピーの原因を自分なりに探っていきました。毎日、当たり前のように使っているシャンプーや石けん、洗剤のこと、病院でもらっていたステロイド剤(軟膏、錠剤、目薬など)の副作用の恐さ、スーパーやデパートで売られている野菜や食料品の実態。家の中のホルムアルデヒトやダイオキシンなどの環境ホルモン、深刻化する環境破壊など、調べれば調べるほど目を背けたくなるような現実ばかりが見えてきました。
「こんな世の中では生きていけない」と落ち込むこともあったのですが、氾濫する情報の中から自分にとって必要なものと、そうでないものを判断すればいいと分かってからは、少し心が軽くなり、毎日の生活を楽しむ余裕がでてきました。
そして、そうやってモノを選ぶようになってから、アトピーの症状もずいぶん改善し、今では病院や薬とはすっかり縁を切ることができました。
ある日、結婚した友人の新居に遊びに行った私は、これから子どもを生んでお母さんになるかもしれない友人と、その旦那さんに向かって、シャンプーや石けん、化粧品の恐さ、食品添加物のことなどコンコンと説明し、1冊の本「娘に残してやりたいもの」(坂下栄著 ゆうエージェンシー刊)を置いていきました。
そのとき一緒に話を聞いていたのが、同じく中学時代の友人、村里さんでした。2、3日後に彼女からもらった手紙には「もっと詳しく教えてほしい」ということが書いてありました。早速、連絡をとり、2人で勉強するうちに「もっといろんな人にこの情報を伝えたい」という想いがどんどん強くなって、情報誌「エクリュタウン」が生まれたのです。
情報化社会と言われながらあまりにも不必要な情報があふれている今日、情報誌「エクリュタウン」では、「シンプルで心地良い生活」をテーマに、本当に必要とされる真の情報をお届けしています。
エクリュ・プロジェクト 大丸谷 幸江