9条Tシャツの取り組み
西日本新聞に掲載されました。

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西日本新聞(夕刊)2004年5月1日掲載
「9条Tシャツ 世界へ発信」
NGO 各国語条文で「9」かたどる

「戦争なき世」願い、動く

 戦争放棄をうたった日本国憲法第九条の理念を世界に伝えようと、非政府組織(NGO)「ナマケモノ倶楽部」(本部・東京)が、条文を各国語に訳しデザインしたTシャツを作製、販売している。戦闘の続くイラクに自衛隊が派遣され、憲法改正論議が現実味を帯びる中、同倶楽部世話人の中村隆市さん(48)=北九州市若松区=は「Tシャツを着て、非暴力・平和を誓った憲法の意味を思い起こそう」と呼びかけている。

 Tシャツは同倶楽部の若い女性会員が発案、会員と知人らが条文を翻訳した。日本語や英語、ハングル、アラビア語などを組み合わせて「9」の字をかたどり、三種類のTシャツを作った。昨年12月以来、約千五百枚を販売。収益金は日本国際ボランティアセンター(JVC)などを通じ、イラクの医療支援活動に充てている。

 今後、さらに50−60ヶ国語語に訳し、本やビデオなども作って、国内外で販売する計画。

 同倶楽部は1999年に発足した全国組織のNGOで、中村さんは設立者の一人。有機農産物の輸入による途上国住民支援や環境保護などの活動を通じ、省エネルギー・資源循環型のライフスタイルを提案している。

 中村さんは、イラク戦争をめぐる最近の状況について「武力行使を永久に放棄すると憲法で誓った国の首相が、米国の先制攻撃を支持した。憲法九条が何者かに奪われようとしている」と危機感を強め「平和憲法を私たちの手に取り戻す運動の一歩を、Tシャツから始めたい」と話している。

 一枚3500円、各サイズあり。問い合わせはウインドファーム=093(202)0081。