2009年11月18日(水)の西日本新聞(朝刊)で「原子力発電がとまる日」が紹介されました。
ドイツに学ぶ脱原発 福岡・水巻町の団体、テキスト出版 「リスクを知って選ぼう」
民主党政権が温室効果ガスの大幅削減目標を打ち出す中、環境先進国・ドイツの原子力政策に学ぼうと、福岡県水巻町の社団法人が「原子力発電がとまる日?脱原発化を選んだ、ドイツからのメッセージ」を出版した。インターネットの通信販売のみだが、10月下旬の発売以来、約1カ月で千冊が売れる人気ぶりだ。
同法人は、環境や命に配慮したビジネスを考える「スロービジネスカンパニー」。出版は、チェルノブイリ原発事故の被害に遭った子どもたちを支援してきた同法人顧問で、会社社長の中村隆市さん(53)=同町=が、「原発の是非を論議する以前に、市民のほとんどが原発を詳しく知らないのでは」と思ったことから企画した。
ドイツの環境・自然保護・原子力安全省(BMU)が、今年4月に公開した原子力に関する政策の説明文書を、許可を得て翻訳。イラストも加え、原発を知るテキストとして約40ページにまとめた。
BMU文書は(1)原子炉の運転時には二酸化炭素(CO2)は排出されないが、ウラン採掘や濃縮、再処理、最終処分段階では排出される(2)大量の有害廃棄物を安全に最終処分する方法は世界中どこにも答えが見つかっていない‐などと指摘。風力発電などの再生可能エネルギー分野に比べ、高コストで雇用も相対的に少ない原発からの脱却を結論付けている。
民主党内には、温室効果ガス削減のために原発への期待がある。中村さんは「本が売れているのは、地球温暖化防止が政治課題となり原発への関心が高まっているからと思う。原子力のリスクを知った上で、選択するのが大事」と話している。同書はA5判、300円。同法人ホームページ=https://www.slowbusiness.org/
=2009/11/18付 西日本新聞朝刊=