百聞は一見にしかず
ジャカランダ農場スタディツアーより。中央お2人が村田さんご夫妻。
ジャカランダ農園のもようは、「ジャカランダコーヒー物語」で詳しく紹介されているが、今回のスタディツアーに参加して、目の当たりにジャカランダ農園のすばらしさを体験することができた。
関西国際空港からロサンゼルス経由でブラジルの首都サンパウロまでは24時間の旅、VASP航空というはじめて聞くブラジルの航空会社の飛行機でサンパウロに向かった。
サンパウロからバスで5時間あまりでミナス州のマッシャード市に着く。車窓からは延々と牧場やコーヒー農園が展望されブラジルの広さを改めて痛感させられる。
ジャカランダ農園はマシャード市からおよそ30キロのところにあり、途中から舗装がしていない上り下りの赤土の道路が農園に通じている。雨の日はぬかるんでたいへんだろうと思ったが、それでも道路の整備はすすんできたという話で、数年前は、雨の日に乗用車がスリップしてトラクターで引っ張ってもらうほどの悪路だったという。
ジャカランダ農園は、マシャード市までのバスの車窓から見た風景と違って、小高い丘の斜面と谷間に広がっている。ジャカランダコーヒー友の会が栽培を委託している地域は、栽培方法の実験地区でコーヒーの木の間隔をいろいろ変えて植樹している。
私は有機栽培というのは、化学肥料の代わりに有機堆肥を施してるもので、コーヒーの木のまわりには雑草などは生えていないものと勝手に思いこんでいた。実際は、さまざまな雑草の中にコーヒーの木が栽培されていて、背丈が高いために遠くから見るとコーヒーの木だけのように見えるのである。農園内の道路は赤土であるのに、そこでは黒々とした土で柔らかい。そのような土にするまでのカルロスさんをはじめ農園スタッフの苦労がうかがわれた。「有機栽培の究極は自然農法なんだ」ということを実感した。
農園は収穫作業が一段落したところで、収穫したコーヒー豆の天日乾燥と精選作業が行われていた。農園で精選されたコーヒーは、マッシャード市にあるジナモ精選工場で電子鑑別を含めた最新式の工場で精選され、そのもっともよい品質のコーヒーが輸出用に向けられている。
私たちが飲んでいるジャカランダコーヒーがていねいに生産され出荷されている様子を自分の目で確認することができて、ブキメラ村の子どもたちを支援している人たちにジャカランダコーヒーを勧めることにいっそう自信を持つことができた。
3日目の午後にコーヒーの木の記念植樹を激しい雷雨の中でびしょぬれになっておこなった。雷のために翌朝まで停電したが、このような停電はめったにないという話だった。夜、ローソクの明かりでカルロスさんの家族と感想を述べあったり、歌ったりの交流は印象的だった。
ジャカランダ農園の朝、色とりどりの花が咲き、さまざまな鳥の鳴き声に囲まれて宿舎のベランダから農園を展望したときの感動はいつまでも心に残るだろう。ジャカランダ農園に滞在した四日間はあっという間に過ぎ、ジャカランダ農園のすばらしさを堪能するには少なくとも一週間は必要だと思った。これはカルロスさん一家の手厚いもてなしと家族との心温まる交流ができたことでいっそうその思いを強くしている。
ジャカランダ農園のすばらしさを言葉で表現しようとするのは難しい。ともかく自分の目で確かめてもらうのが一番であるが、唯一の難点は日本とブラジルの距離の遠さである。
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