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もう一つのジャカランダコーヒー物語

ブキメラ村への支援コーヒーで白血病の子どもたちへ医薬援助を

ブキメラ医薬援助基金 村田 和子

 私たちがマレーシア・ブキメラ村の白血病の子どもたちへの医薬援助活動をはじめてから9年目を迎える。年に一度ブキメラ村の子どもたちを訪ね、その時に全国から寄せられたカンパを現地の医薬援助基金委員会に贈呈することにしている。有志からのカンパだけでは限界があると考えていた矢先に、(有)有機コーヒーの中村さんと出会い、有機無農薬コーヒー・紅茶の物販活動をおこなうことになった。
 私たちが取り扱っているジャカランダ・コーヒーパックには、次のようなシールが貼られている。

 マレーシア・ブキメラ村のすぐ近くに進出した日系企業エイシアン・レア・アース社(ARE)は、1982年から操業を開始しましたが、操業開始から1年半あまりに放射性廃棄物を周囲の池や空き地に野ざらし投棄をするという日本ではとても考えられないことをしました。
 そのために、1987年頃からブキメラ村に白血病などの健康障害に苦しむ子どもたちが増えています。
 販売収益は、ブキメラ村の白血病の子どもたちへの医薬援助のために、ブキメラ村医薬援助基金委員会へ送金されます。

募金を渡す村田和子さん
現地を訪問して、募金を直接手渡す村田和子さん(右)。
 このような形で始まった有機無農薬コーヒーの販売活動は、「ブキメラ村の子どもたち支援」を全面に打ち出したものであった。私たちを通じて有機無農薬コーヒーを購入した人たちは、はじめのうちは、「有機無農薬コーヒー」を買うのではなく「ブキメラの子どもたち支援」を買っていたという表現が適切であったろう。そのような形での物販活動は支援運動の衰退とともに行き詰まってくるのが普通であるが、ジャカランダコーヒーの品質の良さと(有)有機コーヒーの焙煎技術に助けられて、ジャカランダコーヒーそのものの愛好者が定着し、ブキメラの子どもたちへの医薬援助活動はささやかではあるが持続している。

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