目次へ

コロンビア
地震の被害を受けたアルメニアの町

コロンビア震災支援コーヒーの可能性

 コロンビアでは、昨秋、日本に招待した国際有機農業センター(CIAO)のラモン所長が出迎えてくれ、各地の有機コーヒー生産農場に案内してくれました。ラモンさんは何も言わなかったのですが、CIAOで働く篠さん(東京農大出身・青年海外協力隊員)によれば、今、CIAOは存亡の危機に直面している厳しい状況とのことです。理由は、近年の南米全体の経済悪化の中でもコロンビアの状況は相当に厳しいようで、今すぐ経済回復に貢献できそうにないCIAOなどへの予算が大きく削減されて「実は先週、CIAOの職員が20人ほど解雇され、半分以下になりました。ラモン所長は理事会からの要求に長い間抵抗していましたが、CIAOを残すためには、とうとう受け入れざるを得なかったということです。職員のことを人一倍大切にしてきた所長ですから、本当につらかったと思います」そんな厳しい時期に私は訪問したわけですが、ラモンさんは、いつもの陽気な笑顔で5日間、私に付き合ってくれました。

 昨年に続き2度目の訪問となったフランシスコ・ヘレーラさんの有機コーヒー園には、地域の30数名の小農民と市長が有機農業の勉強会に集まっていました。このアピア地区は伝統的な農法を大切にし、近代化学農業をあまり取り入れなかった農民が多い地区です。CIAOが「小農民自立のモデルケースにしたい」と力を入れている地区であり、市長も日本との「有機コーヒーのフェアトレード」に期待しています。ラモン所長と宮坂四郎さん(CIAO顧問)が指導をし、太鼓判を押しているフランシスコ・ヘレーラさんの有機コーヒーを今年、輸入することにしました。将来は、小農民グループの有機コーヒーも輸入する予定です。こうした取り組みがCIAOの存続につながればと願っています。

 コロンビアを発つ前日、どうしても行っておきたかったアルメニア(地震で最も大きな被害にあった地区)をラモン所長の案内で見て回りました。本当は、地震の被災者支援活動に取り組んでいる篠さんに案内して貰うつもりだったのですが、あまりに治安が悪いため、海外協力隊員は立入禁止になっていました。(普段でも「世界一治安の悪い、危険な国」とも言われているのですが・・・)
 現地を見て感じたことは、阪神大震災と同様に、息の長い支援活動が必要だろうということです。コロンビアの有機コーヒーが輸入でき次第「コロンビア震災支援コーヒー」を始めたいと考えています。

前の記事 目次へ戻る 次の記事→